管理職の残業代とは

深夜勤務は割増賃金適用
労働実態から適用を考える必要

 「課長は残業不要?」。しばしば質問されることがらです。法定外残業代については労働基準法に定めがあるものの、管理職は適用外とされているからです。問題は、管理職(法律的には管理監督者)とは何を指すのかに関わってきます。
 労働基準法における管理監督者とは「労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者」。つまり、役職名ではありません。職務内容・責任と権限・勤務態様・待遇などの実態によって判断されるのです。
●職務内容や責任と権限…労働時間・休憩・休日等に関する規制の枠を超えて活動せざるを得ない重要な職務内容を有していること。
●勤務様態…経営者と一体となり、時を選ばず経営的な判断や対応を求められ、労働基準法の規制になじまないような働き方が必要とされること。
●待遇…給与、賞与、その他の待遇において一般の労働者と比較し相応の待遇がなされていること。
 つまり、会社内で管理職といわれても、自らの裁量で業務を執行する権限がなく、多くのことがらについて上司の指示を仰ぐ必要があり、また労働時間について管理されていたり、配下社員の人事考課や労務管理に関する権限を有していない場合などは、管理責任者と言えないのです。たとえば、十分な権限が付与されず、一般社員と大差ない業務実態の「店長」は、労働基準法や36協定に準じた残業代が支給されるべき。役職名や肩書などではなく、あくまで労働実態に基づくことを労使とも認識しておきたいものです。20230406_2_20230406095226fdb.jpg
 ところで、管理監督者に該当する場合でも、労働基準法第37条の「深夜労働の場合の割増賃金に関する規定」は適用されるため、22時~翌5時の深夜の時間帯における勤務には深夜手当が支給となります。法令や会社の規則を知り遵守することは、労働者や職場を守ることにもつながると理解したいものです。

(東愛知新聞 2023年4月5日掲載)

スポンサーサイト



コメント

非公開コメント