会社と社員双方の利益に

配置転換・転勤について

 異動が多い時期となりました。今回は「配置転換と転勤」について考えてみます。
 異動は、仕事のマンネリ化やなれ合いを防いだり、キャリアアップを図るためにおこなわれるのが通常。部署や職種などが変更される配置転換や勤務地が変わる転勤などが一般的です。また、昇格によって仕事の内容や責任が変わることも含まれます。
 そうした機会を成長の契機ととらえる者がいる反面、慣れた場所で慣れた仕事をする方がよかったと感じる者がいるのも事実。異動を受け入れ難いと感じるケースもあります。
 この場合、会社が命じた配置転換や転勤を、拒否できるかどうかが問題となります。一般的に会社は、その権利を就業規則や労働契約、慣例などによって保有しているとされ、入社時に職種を限定するような特約がない限り、命じられた配置転換や勤務命令に従わなければならないとされています。
 ただし、以下の基準を超えた命令は、これを「権利の濫用」として拒否できることもあります。
1.業務の必要性…社内配置の適正化をはじめ、業務の能率向上や円滑化、能力開発など、会社にとって合理的な理由があること。
2.不当な動機・目的の有無…労働組合活動を制限したり、特定の社員を辞めさせるようなことを目的していないこと。
3.社員の不利益の程度…異動する社員にとって「通常甘受すべき程度を著しく超える不利益」に該当しないこと。
 これらなどが考えられますが、「私生活についての不利益」は社員にとって厳しい判断がくだされるケースが多数です。
 「単身赴任命令」により社員やその家族が大きな不利益を感じることもありえますが、判例の多くは「単身赴任は通常甘受すべき程度の不利益であり拒否できない」となっています。
 とはいえ、少子高齢化社会にあって状況は急激に変化しています。会社と社員双方の利益バランスをいかに保つか…、社会全体で考える時代に入っているといえます。2023-04-13 090330_1

(東愛知新聞 2023年4月12日掲載)

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