けがや病気の認定基準

労災について考える①

 労働保険料の申告時期が近づいてきました。雇用形態をはじめ働く日数や時間に拘わらず加入義務があるのが労働者災害補償保険。「年度当初に概算で申告・納付し、翌年度の当初に確定申告のうえ精算する」とされています。「年度更新」と呼ばれているこの申告手続きは、6月1日から7月10日までにおこなうのが通例です。ゆうカフェ33_5
 そもそも労働保険は労働者災害補償保険(略して「労災」)と雇用保険の総称。今回は「労災」について考えます。
 労災保険は手厚く制度化されており、ケガや病気の治療費・通院費・介護費用・給与の補償のほか、遺族補償なども設けられています。つまり、いざという時の貴重な補償ですが、問題はその認定基準。考え方をよく知っておく必要があります。
 その基本要件は、災害と業務の間に一定の因果関係があり、被災当時に労働者が使用者の支配下にあったかどうか。具体的には、事務所や現場での就労中はもとより、外回りをしている最中や出張、さらに通勤途上なども含まれます。ただし、就業時間内といえども私用や故意、ケンカなどに起因する傷病は認められません。
 また、労働者の過失によるものであっても支給対象とされますが、飲酒運転など明らかな法律違反や故意による被災については、全部または一部が支給されないこともあります。つまり、業務を遂行しようとしている途上の災害であることが前提となります。
 ところで、比較的判断しやすいケガと異なり、病気は発症までに時間がかかったり、持病との関係性もあることから判断が難しくなります。
① 職場に病気の発生原因となるような有害因子(物質や環境等)があり、心身に過度の負担がかかっている
② 有害因子が健康障害を起こし得るほどの時間と量がある
③ 発症の経過および病態に関し医学的な因果関係がある
 以上が、病気に関する認定の3原則ですが、何より起こらないようにすることが大前提。職場環境や安全に配慮しながら仕事ができるよう心がけたいものです。

(東愛知新聞 2023年5月24日掲載)

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