業務上のけがの対処

労災について考える② 

 前回、労災の補償範囲や対象となる傷病基準について紹介しましたが、今回はそうした事象に遭遇した場合の実際について、業務上のケガを例に考えてみます。22044319_m.jpg
 ケガをした場合、すみやかに病院に向い健康保険証を提示して治療を受けるのが一般的ですが、業務遂行上のケガは「健康保険が適用されない業務災害」となり、対処が異なります。まず、病院の窓口で「業務上のケガです」とか「労災でお願いします」と伝える必要があります。また、労災かどうか判断に迷うようなケースでは、どういう状況下でケガをしたのか、病院に伝達しましょう。
 なお、受診する病院には2つの区分があります。
●労災指定病院
 病院が治療費を直接労働基準監督署へ請求します。「療養補償給付たる療養の給付請求書」に必要事項を記入し病院へ提出します。
●労災指定外病院
 いったん治療費全額を病院に支払い、後日、労働基準監督署へ当該治療費を請求し還付を受けます。手続きは「療養補償給付たる療養の費用請求書」に病院の領収書(原本)を添えて労働基準監督署へ提出する方法で行ないます。
 このほか、被災労働者の居住地か勤務先が、病院から2㎞以上離れている場合など、一定の要件に該当すれば、「療養補償給付たる療養の費用請求書」に通院費の領収書を添え提出(労働基準監督署へ)することで通院費が補償されるケースもあります。
 ところで、給付を受けている被災労働者が何らかの理由で転院する場合は、転院先の労災指定病院等に「療養補償給付たる療養の給付を受ける指定病院等(変更)届」を提出しなければなりません。
 一方、会社には業務災害が起こった場合(通勤災害は不要)、「死傷病報告書」の提出義務(労働基準監督署へ)があります。その場合、休業4日以上と3日以下では用紙が異なりますので注意が必要です。
 何よりも業務災害を起こさないことが大前提。それでも起こってしまった災害に対し、適切な対処を心掛けたいものです。

(東愛知新聞 2023年5月31日掲載)
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