通勤災害の注意点

労災について考える④

 4週連続で労災について考えます。労働者災害補償保険(労災)は業務上の災害補償のほか、通勤中の災害も対象にしています。
 通勤とは、労働者が就業のために「合理的な経路および方法」で自宅と会社の間を移動すること。出張は含まれず、業務災害として取り扱われます。では通勤災害とは何を指すのでしょうか。
●合理的な経路…通勤のため通常利用する経路のことをいい、経路が複数であったり、渋滞回避のため迂回しても問題ありません。
●合理的な方法…電車、車など、通常の手段であればよく、たとえ会社が禁止しているバイクで通勤事故を起こしたとしても通勤災害に位置付けられます。2023-06-14_6.png
 なお、通勤災害でたびたび問題となるのが「寄り道」。通常経路を離れ、買い物したり飲食店で食事するなどの行為を「逸脱」といいます。また、通勤経路上にはいるものの通勤と関係のないことをする行為を「中断」と称します。この両方のケースでは、逸脱・中断を終え通常経路に戻ったとしても、以後の被災補償は受けられませんので注意が必要です。
 ただし、日常生活上必要で止むを得ない事由があり、最小限度の行動と判断される場合は、逸脱時や中断中を除き、通勤経路に復帰して自宅に戻るまでの間は通勤災害の補償対象となります。(以下参照)
 ★厚生労働省令で定める逸脱・中断の例外となる行為の例
①日用品の購入など
②職業訓練校での職業訓練など
③選挙の投票など
④病院での診察や治療など
⑤家族(同居、扶養していない孫、祖父母および兄弟姉妹でも可)の介護など
 仕事中の事故のみならず、通勤途上も対象とされるのが労災。万一のため、制度を知っておくことが身を助けることにつながります。

(東愛知新聞 2023年6月14日掲載)

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