解雇にも法的規制や条件あり

世界的に厳しい日本

退職について④

 世界経済は今、大きな転換点を迎えていると言われています。激しく進行するインフレや労働力の流動化などがそれ。アメリカでは急激な物価や賃金の上昇が現実となっているばかりか、成長一途もみられていた大手IT企業の大規模人員整理などが「話題」となっています。

 「話題」というと対岸の火事のように映ってしまいますが、日本でも解雇の在り方を見直すべきだという声が聞かれるようになってきました。

 その「解雇」とは会社から従業員に対する一方的な雇用契約の解消のこと。日本では、「客観的、合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」という厳しい規制がありますが、もし仮に「客観的かつ合理的な理由」があったとしても、解雇が制限される期間が設けられています。

・ 業務上の傷病により休業している期間とその後30日間

・産前産後の休業期間とその後30日間

 ただし、療養開始後3年を超えても治癒しない場合、打ち切り補償として平均賃金の1,200日分を支払うか、労災保険の傷病補償年金を受けることになれば解雇は成立します。 

 また、天災事変などにより事業の継続が不可能となった場合、労働基準監督署長の認定を受けることで可能となることもあります。

 なお、法的に認められない「解雇理由」があることも認識しておきたいところです。

❶組合員であることなど

❷国籍、信条、社会的身分や性別

❸労働基準監督署等に申告、申出をしたこと

❹妊娠・出産・育児休暇・介護休暇を取得したこと…などです。20230727_4.jpg

 経済発展を遂げている諸外国と比較すると、「解雇」が厳しく制限されているのが日本ですが、長年採用してきた終身雇用、すなわち「メンバーシップ型雇用」から成果型の「ジョブ型雇用」に移行をしていくべきなのか、あるいは日本型の良さを継承しながら時代に合うカタチに変容を遂げていく方が良いのか、現場感覚も大切にしながら議論を重ねていく必要があります。


東愛知新聞 2023年7月26日掲載

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