社員の合意で変更可能

社会の価値観などで変化

就業規則について③

 何ごとも時とともに変化します。就業規則も同様で社会の価値観に並走するように変化していくもの。会社の容態や状況も要因のひとつですが、その変更が社員にとって有利となるケースもあれば、賃金の引き下げや手当のカット・福利厚生の廃止など社員にとって不利益な変更もあり得ます。これを「就業規則の不利益変更」といいます。20230818.jpg
 こうした変更は基本的に法律で禁止されていますが、経営上の問題をはじめ、変更の必要性や生じる不利益について労働者側が容認するなど、合理的でやむを得ない理由が認められれば、労働者側の合意をもって変更可能となります。
 なお、その場合でも以下の配慮が必要です。
1. 不利益変更が必要な経緯や理由を具体的に、社員一人一人に書面と口頭で説明する
2. 賃金や退職金の引き下げでは経営資料などを基に十分な協議をおこなう
3. 休日を減少する場合は賃金にどのような影響がでるかを具体的に説明する
4. 人事評価制度や就業規則の変更により、一部の社員に不利益が偏る場合は、「調整手当」などの導入を検討する
 就業規則の変更には必ずしも全社員の合意が必要なわけではありません。同意していない社員にも、改定後のルールが適用されますが、効力は周知後に生じることを覚えておきたいものです。
 こうした不利益変更は社員のモチベーションにも影響します。一人ひとりに十分な説明をするとともに、経過措置を導入するなどの配慮も必要でしょう。
 これまでも裁判で争われてきた「就業規則の不利益変更」ですが、判例の根拠は多様多彩で、どのような条件が合理的かの判断は非常に難しいものがあり、基本路線はなかなか定まっていません。
 いずれにしても争うことが目的ではないのですから、労使ともに協力し合い、働きがいのある職場作りへの意思を共有しながら改善していく必要があります。

東愛知新聞 2023年8月16日掲載
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