早期解決へ3か月の審理

労働審判制度

労使紛争について③

 先週に引き続き個別労働紛争について考えます。
 労働組合等による集団的労働紛争と異なり、個別労働紛争は自主的解決が基本。そのサポート策として、「労働基準監督署への労働相談」「都道府県労働局長による助言・指導」「紛争調整委員会によるあっ旋」があります。しかし、それでも合意に至らず解決が困難な場合、裁判に持ち込まれます。対立が決定的なこうしたケースでは、事実関係の立証に膨大な労力と時間を要するばかりか、弁護士費用なども必要となり「ケンカのためのケンカ」になってしまいかねません。
 
 そうした現実を背景に2006年、「労働審判制度」が設けられました。これは、複雑化しそうな労働紛争について、労働審判委員会(裁判官1人と労働関係の専門家2名で構成)が非公開で審理し、調停あるいは審判する制度。3か月程度の審理のもと「調停成立」「労働審判」「訴訟」、いずれかに移行することになります。

① 調停成立…話し合いがまとまれば調停成立、つまり和解となります。なお、調停内容は調書に記載され、以降同一の紛争は認められません。
② 労働審判…調停が成立しない場合、労働審判委員会が実情に即した判断を示すことを指します。この場合、2週間以内に異議申立てがなければ労働審判は確定し、和解成立となります。なお、内容如何によって強制執行の申立ても可能です。
③ 訴訟…労働審判に対し2週間以内にいずれか一方から異議申立てがあれば、労働審判は効力を失い、訴訟手続に入ります。ここまでいくと、ごく一般的な民事訴訟と同じ過程をたどることになります。
●労働審判


 「個別労働紛争解決制度」や「労働審判」は、通常の訴訟に比べコストと時間がかからず、早期解決が期待できるというメリットがありますが、トラブルの発生を未然に防ぐ努力を重ねることが何よりも大切。日頃の意思疎通を疎かにしないよう留意したいものです。

(東愛知新聞9月13日掲載予定分)
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント