国民生活の安定目指す制度

高度経済成長のバックグラウンド

社会保障について

社会保障制度は、ドイツの鉄血宰相ビスマルク(1815~1898)が考案したといわれています。1700年代半ばに興った産業革命によって多くの農業従事者が都市に駆り出さましたが、その結果「低い賃金」「過酷な労働」「格差の拡大」「治安・衛生の悪化」などの問題が惹起しました。社会保障制度はその対策の一環として考えられ、世界的な広がりをみせました。

戦前の日本にも健康保険や労災保険のような仕組みがありましたが、国民皆保険(国民のすべてが医療保険に加入することを基本とした制度)や皆年金制度(すべての20歳以上60歳未満が年金に加入することを基本とした制度)が整ったのは1960年代から70年代前半。病気やケガをしても保障されるだけでなく、老後の不安が払しょくされたことなども高度経済成長のバックグラウンドのひとつといえます。

ところでひと口に「社会保障制度」といいますが、これは「病気・老齢・死亡・出産・ケガ・失業・介護・貧困などが原因で国民の生活の安定が損なわれた場合に、国や地方公共団体などが一定水準の保障を行う制度」のこと。日本国民が健やかで安心できる生活を保障するため、「生活安定」「向上機能」「所得再分配機能」「経済安定機能」を柱として構築されています。すなわち、「社会保障制度」が目指す生活の質に関係することがらです。

そして、その実現のため設定されているのが、「社会保険」「社会福祉」「公的扶助」「保健医療/公衆衛生」というカテゴリ。目的や対象、内容や効果ごとに整理された保障区分と言い換えることができます。つまり、「社会保障制度」とはそれらを総合した制度全体を指しています。

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中でも、多くの関心を集めるのが「社会保険」。予めお金(保険料)を出し合い人生の多様なリスクに備える制度は、「年金」「医療」「雇用」「労災」「介護」の5つの分野に分けられています。次週以降はこの「社会保険」について考えます。


東愛知新聞2023年9月20日掲載
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