社会保険の全体像

保険料の負担義務と保険給付は表裏一体

社会保険の全体像

 諸外国と比較しても優れた面があると評価されている日本の社会保障制度は、単に金銭面だけでなく生活の質にも関係しています。その柱は「社会保険」「社会福祉」「公的扶助」「保健医療/公衆衛生」の4つですが、今回は「社会保険」の全体像について考えます。4357333_m.jpg
 「社会保険」とは、予め保険料を出し合い人生の多様なリスクに備える制度のこと。保険料を負担する義務を負う者が法的に規定されており、同時に保険給付の権利を有します。将来起こるかもしれないケガや病気などに対し、予測される発生率に見合った保険料を加入者が公平に分担することで万一に備えるのが「保険」。一般的な生命保険や損害保険のように個人の意思にまかせられている保険を私的保険といいます。
 他方、加入する義務が法的に定められているのが公的保険としての社会保険。「健康保険」「国民健康保険」「介護保険」「厚生年金保険」「国民年金」などが該当します。また「雇用保険・労働者災害補償保険(労災保険)」も広義の意味で社会保険です。
 これらは制定された過程や目的などから、給付の原因となる疾病・介護の必要性・加齢などが個別的に規定されており、運営主体である保険者も異なります。
 たとえば国民健康保険や介護保険は市町村が保険者。地域によって保険給付や保険料に若干の差を生じているのはそのためです。一方、国が保険者である労働保険(雇用保険・労災保険)は一律で地域差はありません。
 保険料の負担義務を負うことで、保険給付を得る権利が与えられる社会保険は、制度ごとに人生の様々なシーンで暮らしを支えてくれるもの。未納にすると給付の権利を逸することになりますので、納付が困難な場合は免除の申請を検討してみるもの一考です。
 なお、「社会福祉」「公的扶助」には保険料負担がなく税金等で賄われていることは覚えておきたいものです。

東愛知新聞 2023年9月27日掲載

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