手厚い日本の健康保険制度

現物給付以外の適用に幅

 健康保険は、病院などの窓口で保険証を提示し診療を受ける「現物給付」が原則ですが、やむを得ない事情で現物給付を受けることができない場合もあります。このようなケースに備えて、「療養費(被扶養者の場合は家族療養費)制度」が設けられています。かかった医療費の全額を立替払いし、あとで請求のうえ払い戻しを受ける保険給付です。具体的にどのようなケースが該当するか、以下にまとめました。
 ①近隣に保険医療機関が整備されていない地域において、緊急のために保険医療機関以外で診察などを受けた場合 
 ②骨折、脱臼、打撲、捻挫などで柔道整復師の施術を受けた場合。ただし、柔道整復師が行う骨折、脱臼の治療については、応急手当以外は医師の同意が必要
 ③医師の指示により療養上必要な装具(義手・義足・義眼・コルセット)を装着したとき 
 ④事業主が資格取得届の手続き中で被保険者証が未交付のとき 
 ⑤感染症予防法により、隔離収容された場合で薬価を徴収されたとき 
 ⑥生血液の輸血を受けたとき 
 ところで、海外赴任や海外旅行中に病気に罹ったり負傷した場合は、「海外療養費制度」が適用されることになります。これは、日本国内で保険診療として認められている医療行為に限り、申請によって一部医療費の払い戻しを受けられる制度。海外に名医がいるからとか、特殊な治療を受けるためといった理由で渡航し、診療を受けた場合は適用されませんので注意が必要です。 
 日本の健康保険は、たとえその場で健康保険証の提示ができなくとも、「いつでも」「誰でも」「平等で」「自由に」「安心して」「必要な医療サービス」を受けられる制度。「国民皆保険」と称されるように、決められた保険料を出し合うことで、いざという時の備えは助け合いになっています。少子高齢化社会において、ますますその重要性が増しているということができます。20231116.jpg

 東愛知新聞 2023年11月15日掲載
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